データ解析のためのIgorPro活用術
1. 上軸に対応するスケールを入れるには?
例えば光学スペクトルの図を作る際に、光子エネルギーと対応する光の波長を上と下に
軸を作るとします。Origin等では簡単にできるようですが、IgorProの場合はこのような機能はもともとありません。
IgorPro3.xではサンプルファイルの中にDrawing Axes.ipfというマクロを用いるのですが、
IgorPro4ではTransformAxis という軸を新たに作成するマクロがデフォルトでincludeされます。
作業方法
メニューバーのGraphのPackegesの中にTransformAxisという項目があります。
これをまず実行すると、NewTransformAxisというパネルが表示されます。このパネルで
新しく作りたい軸の設定をおこなってください。
またこのときにGraphのメニューの
下にTransformAxisという項目が増えます。このホルダーの中にTransformAxisに
関連するメニューがいくつか入っています。いろいろ使ってみてください。
例えば下の軸に波長を、上の軸に対応する光子エネルギーを示したいとします。
空気の屈折率を考慮すると関係式は(Energy)=1239.5/(lambda)となります。
この場合、まず新たに(1239.5,0)というwaveを新たに作成します。そして作成したいグラフをactive windowにし
New TransformAxisパネルの関数(function)にModifiedReciprocalに
係数(Coefficient waves)を新たに作成したwaveに、axisをbottomに、Make it mirror axisをチェックして実行させると新たに軸が作成されます。
※ ModifiedReciprocalとはw[0]/(x-w[1])という関数形です
注意点
- 参照する軸のAxisRangeは必ず(min Value) < (max Value)となるようにしてください。もし
(min Value) > (max Value)となる場合はManual Tickでメモリの値を設定する必要があります。
- 新しく作る軸に関する情報はDataBrowserではroot:Packeges:TransformAxisに格納されています。
したがってグラフを作るwaveはroot:の下にある状況下で使用することを勧めます。
すなわちSetDataFolderのコマンドを使用しなければ問題は起こらないと思います。
- 自分で新たに関数を作る場合は以下のように「TransAx_」で始まる名前の関数を作成してください
Function TransAx_yourname(w, x)
Wave/Z w
Variable x
function body
return
end
- パネルのHelpよりTransformAxisHelp.ihfが表示されるようになっていますので、
その他の詳細についてはこちらを参照してください。
ここまで
最終更新日: 2003.1.13
一つ上の項目に戻る